絵本セラピストに聞く、大人に薦める絵本とのふれあい
2018.09.27

絵本セラピストに聞く、大人に薦める絵本とのふれあい

子育て世代のみなさん、絵本といえば「子どもの本」と思っていませんか? 

子どもの頃にお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、幼稚園や保育園の先生から読んでもらった絵本たち。大人たちから語られる、わくわくドキドキするお話に瞳を輝かせたこと一度や二度ではないはずです。大人になるにつれてほかへの好奇心が強くなり、いつしか絵本との距離も遠ざかっていきます。

それから、年を重ねて大人になって結婚して子どもを生んでみると、絵本がふたたび身近な存在になってきます。日々の子育てのなかで、絵本を読み聞かせていたつもりが、内容に感動して涙するなど、大人になって忘れていた感覚を再発見、なんて方も少なくありません。

そんな、大人も心ゆさぶる絵本の魅力を伝える仕事があるのをご存じでしょうか? 今回は、絵本作家でもあり「絵本セラピスト」として沖縄で活躍されている、ながもとみちさんにお話を伺ってきました。

沖縄の魅力を書籍や雑誌等で伝える編集者をされていた、ながもとみちさん。ご自身も沖縄に魅せられて移住し、現在では2児の母となり子育てをしながらパワフルに活動中です。最初のお子さんの妊娠中、産院で手に取った「ちいさなあなたへ」という本に感動し、絵本の世界に引き込まれていきます。

出産後、娘さんが0ヶ月の時から絵本を読み聞かせていたながもとさん。読んでいるうちに編集者魂がむくむくと湧き上がり、絵本のストーリーをオリジナルに変えていくこともしばしば。この辺りから、ながもとさんの心の中にあった「絵本作りの種」が芽吹いていました。

出産後まもなく仕事を復帰したながもとさんは、取材や原稿執筆など編集の仕事に忙しく明け暮れる日々。ある日、娘さんの面倒を見てくれていたながもとさんのお母さんが、お孫さんのために手作りの絵本を作っていました。お母さんやイチゴ、アンパンマンなどがページをめくるごとに現れてきます。

お孫さんの好きなものが書かれた、世界でたった一冊の絵本。きっと大喜びだったに違いありません。お母さんが作ってくれた本を見て「自分がやりたかったことはこれだ!」と感じたながもとさん。独自にアレンジしていた絵本の読み聞かせから「絵本作り」へ。今まで培ってきた経験をもとに、沖縄をめぐる本が作りたいと思うようになります。

いろいろな才能を集めて、一冊の本に纏めることを得意とする編集の仕事をしていたながもとさん。同じく沖縄に魅了され移住した絵本作家・savaさんと出会い、当時ワークショップデザイナーとして活躍していたあさとめぐみさんと3人で、絵本を作ることになりました。

そして、5歳の女の子ななみちゃんと3歳の男の子じょーじょーが、大自然いっぱいの沖縄を旅する絵本『チムドンドンおきなわ』を2016年に完成。その後、沖縄をテーマにダイナミックなイラストで描かれる『カラテマン』を続けて発行します。2018年7月に第3作目となる新刊『おっぱいの贈り物』を出版しました。

ながもとさんの作品はこちらから
チムドンドン沖縄
カラテマン
おっぱいの贈り物

絵本を通して沖縄の魅力を発信し続けるながもとさんの挑戦は絵本作りにとどまりません。いろいろと調べていくうちに「絵本セラピスト」の存在に辿り着きます。絵本セラピーとは、大人に絵本を読んでその魅力を分かち合い、絵本を通じてその人に必要な気づきや癒やしを与えるお仕事。数え切れないほどの絵本を読み、自身も絵本作りに携わってきたながもとさんは、大人に対しても絵本の必要性を感じるようになりました。

東京で講座を受けコツコツ実績を積んで2017年に絵本セラピストの資格を取得。現在では、子育て中のお母さんや沖縄県の図書館司書を相手に絵本セラピーや講演会を実施しています。講演会に参加された方から「みちさんの言葉がユンケルのようでした。」など、反響も大きいようです。

絵本セラピーはだいたい1時間から1時間半。そのときのテーマに合わせて絵本を数冊読んで、参加者で感想をシェアします。たとえば、イヤイヤ期の子どもを育てているお母さんを相手にした場合には「イライラしたくないママ」のための絵本『わたしとなかよし』『おこりんぼママ』などをセレクト。イライラしているのは自分だけではないことや「時にはイライラしてもいいんだ!」ということに気づくことが出来ます。

絵本を通じて時にユーモラスに、また時にはシビアに現実と向き合うことが出来るのです。「絵本はただ面白いだけではなく、悲しみや寂しさと言った感情にも寄り添い、解放してくれる。闇が光に変わっていく体験をさせてくれる。それって、とても大切なことだと思うんです。」と語るながもとさん。現代社会に生きる大人に向けて、絵本を通じて「自分自身を肯定する大切さ」に向き合うことを提案します。

ながもとさんのセラピーは絵本を読んだ後にする「瞑想タイム」がとってもユニーク。静かに目を閉じて暗闇に身を委ねて内側の声に耳をすまします。読んだ絵本を静かに咀嚼しながら、自分の内面に感じている気づきと向きあいます。それは、ふだん耳を傾けることのない心の声を聞くきっかけとなります。

今の自分の状態を客観的に把握することで「あ、こんなワクワクドキドキした感じ覚えてる!」とか「もうちょっと楽に考えてみよう」とか「これでいいんだ!」なんて自分と対話できることもあります。絵本の中には、現代を生きる大人に必要なメッセージがたくさんちりばめられています。しかも、子ども向けに作られているから、読みやすくてわかりやすい。シンプルな言葉だからこそ、受け取り方もさまざま。読んだ方の状況が違えば、同じ本でも受け取り方も変わります。

自分の心のバロメータとしてお気に入りの本を選んで自己診断するのもいいかもしれません。絵本は心の処方箋。絵本とふれあう時間を取り入れて、日々の暮らしを豊かなものにしていきたいものです。

以下から、受付中の講座へのお申し込みが可能です。
自分の心は自分で整える「ビーチ瞑想会」
あなたの魂のストーリーを読み解く『My BIBLE』モニター受付中

サンゴの島の小さな出版社「絵本スタジオアコークロー」
公式HP|https://www.akokuro.com/
Contact|ehon@akokuro.com

 

life_smile_rightナビゲーター
確かに、子どもに絵本を読み聞かせをしているときに、私自身「ハッ」とする時があります。 絵本は子どもたちの為だけにあるものだと思っていましたが、私たち大人も絵本から学べることがあるんですね。絵本の素晴らしさを改めて実感しました!